- 子育て中のパパやママ
- 教育に携わっている人
- 部下を持っている上司

あなたは子供や生徒、部下に対してどのように褒めたり叱ったりしていますか?
方法によってはその子の成長の芽を摘んでしまっているかもしれません。
今回の記事では成長を促すための褒め方と叱り方について、心理学の観点から解説していきます。
目次
【褒め方・叱り方】心理学者の実験

ジョアン・グルーセックの実験
ジョアン・グルーセックという心理学者が行った実験はこのようなものです。
ビー玉を使って遊んでいる子供何人かに頼んで、友達にビー玉を分けてもらいました。
そしてその行動に対して、AとBの2通りの言葉で褒め、比較しました。
A:「君は人の役に立つ素晴らしいことをした」
B:「君は人の役に立つ素晴らしい人だ」
その2週間後、Aグループの子供のうち10%が、Bグループ子供のうち45%が、入院をしている子供にお見舞いのプレゼントを渡しました。
この実験のAのグループは行動を褒められた子供たち、Bのグループは人格を褒められた子供たちと言えます。
クリストファー・ブライアンの実験
また クリストファー・ブライアンという心理学者が行った実験はこのようなものです。
3から6歳までの子供たちに一緒におもちゃを片付けてもらうために、以下の言葉をかけました。
A:「片付けを手伝って」
B:「お手伝いができる子になって」
すると、Aグループの子供たちよりBグループの子供たちの方が、22~29%と高い割合でおもちゃを片付けました。
この実験でもAグループでは行動、Bグループでは人格を意識した言葉選びをしています。
【褒め方・叱り方】行動を叱り、人格を褒める
ニューロ・ロジカル・レベル
つまりこれらの実験からわかることは、行動よりも人格を意識して訴えかけた方が心に響くのです。
なぜこのような結果になるのでしょうか?
それは影響の受けやすさの順位が存在しているからです。
この影響の受けやすさの順位のことをニューロ・ロジカル・レベルと言います。
- 人格(自己認識・使命):Who(誰が?)
- 信念・価値(行動の動機付け):Why(なぜ?)
- 能力(戦略・計画):How(どのように?)
- 行動(活動・反応):What(何を?)
- 環境(機会・制約):When(いつ?)、Where(どこで?)
この ニューロ・ロジカル・レベルには以下の特徴があります。
- 上の階層に行くほど主観的に受け止め、下の階層に行くほど客観的に受け止める
- 上の階層は下の階層に必ず影響を及ぼすが、その逆はあまり影響を及ぼさない
実際に比較するとこんな感じです。
- 「あなたは素晴らしい」:Who
- 「あなたの考えは素晴らしい」:Why
- 「あなたの技術は素晴らしい」:How
- 「あなたの行動は素晴らしい」:What
上に行くほど心に響く感じがしませんか?
それが ニューロ・ロジカル・レベルと呼ばれるものです。
上手な褒め方

それでは実際に褒め方を解説しましょう。
褒め方は心理実験を思い出すと分かると思いますが、 ニューロ・ロジカル・レベル でいう最高位に当たる「人格」を褒めましょう。
人格に結び付けて褒めることで、より大きな影響を与えることが出来ます。
(行動)先生「君の取り組みはとても素晴らしい」
↓ ↓ ↓
(人格)先生「こんな取り組みをするなんて君は素晴らしい人だ」
上手な叱り方

逆に叱る時は順位の低い「行動」や「環境」に結び付けて叱りましょう。
影響の低い部分は比較的改善がしやすいので、前向きに修正することが可能です。
(人格)先生「君は宿題をしないダメな人間だ」
↓ ↓ ↓
(行動)先生「宿題はやらないとダメだよ」
【褒め方・叱り方】まとめ
- 褒める時は「行動」ではなく「人格」を褒める
- 叱る時は「人格」ではなく「行動」を叱る
人は褒め方や叱り方を変えるだけでガラッと変わります。
あなた自身にもそういった経験があるのではないでしょうか?
是非今回の内容を実践して、相手の力を引き出してあげましょう!