- ロビンスが述べたチームとグループの違い
- グループをチームにするために必要なこと

チームとグループの違いって知ってますか?
この2つの言葉は混同されがちですが、実際には異なります。
例えば、
- チームワーク
- グループワーク
を想像してみるとわかりやすいです。
チームワークはみんなで協力するイメージ、
グループワークはみんなでわいわいするイメージがあると思います。
今回はスティーブン・ロビンスが提唱した「チームとグループの違い」を解説しますね。
チームとグループの違い4つの観点
ロビンスが提唱した「チームとグループの違い」には4つの観点が存在します。
その4つはこちら。
- 目標
- 相互影響
- 説明責任
- メンバーの能力
①目標
1つ目の違いは目標の扱いです。
- チーム:全員で集団的な業績を目指す
- グループ:情報共有に留まる
グループは目標を設定しても、情報共有に留まり、成果を強く意識することはしません。
場合によっては目標そのものが存在しないことも。
それに対してチームはメンバー同士で協力し合い、目標の達成を第1に考えます。
集団がチームとなるためには共通の目標が必要不可欠なのです。
小学校の集団登校の例を考えてみましょう。
集団登校では「みんなで安全に登校する」という目標が掲げられています。
しかし各々が「安全に学校まで行けばいいんだろ」と、自分のペースで登校すれば、チームとは呼べないでしょう。
グループ止まりですよね。
そこで全員が「みんなで安全に登校する」を共通の目標として認識すればどうでしょうか?
上級生は仲間意識をもって下級生の面倒をみるかもしれません。
列を組んで車や自転車から守ることもありそうです。
こうなればチームと呼べそうですね。
このように目標を共有するだけでなく、全員で達成を目指してこそ、集団はチームになり得るのです。

②相互影響
2つ目の違いは相互影響への態度です。
- チーム:積極的に関わる
- グループ:関わりに消極的
先ほどの集団登校の例に戻りましょう。
「みんなで安全に登校する」という目標に従い、全員揃って登校したとします。
そこでもし、列を組むことなく、言葉を交わすこともせずに、登校したとすればどうでしょうか?
これはチームとは呼べそうにありませんよね。
この場合の集団は、ただ一緒にいるだけ。
同じことは1人でもできます。
それぞれのチームメンバーには協力が求められ、互いの関わりが必要です。
互いの欠点を補い合い、互いの長所を活かす。
そうして1人ではなし得なかった目標を達成してこそのチームです。

③説明責任
3つ目の違いは説明責任を誰が担うのかです。
初めに「説明責任」の意味を確認しておきましょう。
説明責任とは、自らの行為の責任および責務を引き受けることを意味します。つまり、期限を守ることを確約し、期限内に仕上げるために全力を尽くすということです。
説明責任の定義 単元 | Salesforce Trailhead
- チーム:メンバー全員で説明責任を負う
- グループ:各メンバーが説明責任を負う
集団登校の例における説明責任は、学校の先生や親と「みんなで安全に登校する」と約束をした形でしょうか。
グループにおいては「自分1人が登校できればいい」というように、各メンバーが説明責任を負います。
しかしチームでは、全員が「全員の登校」に対して共同して責任をもつのです。
集合場所に来ない子がいれば呼びに行ってあげる。
歩きの遅い子がいれば面倒をみてあげる。
「1人1人ができるか」ではなく、
「全員でできるか」がチームとして重要な観点なのです。

④メンバーの能力
4つ目の違いはメンバーの能力についてです。
- チーム:補完的な能力を持ったメンバー
- グループ:能力がバラバラのメンバー
集団登校の例では学年の違いが該当します。
上級生は経験を活かし、全員を引き連れる役目、
中級生は年が近いことを活かし、下級生の相手をする役目を担います。
もしこの集団が下級生だけで構成されていれば、目標の達成は困難になるでしょう。
ほかにも友達と旅行に行くシチュエーションにおいても、
- 観光場所を決める人
- 宿を予約する人
- 車を運転する人
- 旅行を盛り上げる人
といった役割分担が考えられます。
チームはメンバー同士の協力がキモです。
そのため能力の補完が可能なメンバーを集めれば、よりチームとしての力を発揮できます。

グループをチームに変えるには?
グループをチームに変えるには、
バーナードの「組織の成立要件」を満たす必要があります。
- 共通目的
- 協同意欲
- コミュニケーション
この3つの要件についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ:チームとグループの違い
- 目標 → 集団的な業績をあげる
- 相互影響 → 積極的に行う
- 説明責任 → 共同的に責任を負う
- メンバーの能力 → メンバー間で補完し合う
人が1人でできることは限られています。
しかし、ただ集団で活動すればいいというわけではありません。
カッツェンバックという方はチームを以下のように定義されています。
チームとは、ある特定の目的のために多様な人材が集まり、協同を通じて、相乗効果を生み出す少人数の集合体。
キーワードは協同と相乗効果。
人が助け合い、互いの長所を活かし合うことで、集団はチームとして機能します。
チームとグループの違いを理解して、素敵なチーム運営をしてくださいね。