- 数学に必要な力
- 数学の復習方法
- 衝撃の事実

あなたは数学をどのように勉強していますか?
数学の勉強には「復習が大事」とか、
「生まれつきのセンスが必要」といった意見があります。
私の意見は「数学のセンスは復習で鍛えることができる」です。
今回は数学教員をしている私が数学の復習方法を解説しますね。
目次
数学のセンスって何?
数学のセンスって一体何なのでしょうか?
その答えは、理解力と好奇心です。
数学のセンスは理解力と好奇心
- 数学の理論や文脈を理解する力
- 数学の謎を気にする好奇心
①理解力が高いのは、「こうやれば解ける」が直観的に理解できたり、計算が速い人のことです。
理解力が高い人は先生のいっていることを授業中に理解します。
羨ましいですよね。
世間的な「数学が得意な人」のイメージが当てはまるのが、①理解力が高い人です。
人には生まれつき向き不向きがあり、この②のタイプの人は数学に向いていることになります。
それに対して②好奇心が強い人は「数学が得意な人」のイメージからは少し逸れるかもしれません。
「②数学の謎を気にする好奇心」とは、数学で理解できない問題に出くわしたときに「なぜこうなるんだろう?」と疑問を抱くことです。
②のタイプの人たちは計算が得意だったり、図やグラフの理解は苦手だったりすることもあります。
しかし彼らはテストで良い点数を取るんです。
それはなぜか。
答えは「なぜこうなるんだろう?」という疑問こそが数学の本質だからです。

数学を得意にするコツは「なぜ?」
数学を勉強すると論理的思考が身に付くといわれます。
論理的思考はカンタンにいえば「なぜこうなるんだろう?」を繰り返すことです。

それでは実際に数学で論理的思考を経験してみましょう。
次の数式をみてください。
0.99999……=1
今「えっ、なんで?」って思いましたか?
その気持ちが論理的思考、そして数学を得意にするためのカギです。
先ほどの数式の証明を見てみましょう。
x=0.99999……:①式
とすると、両辺を10倍すれば
10x=9.99999……:②式
である。
②式から①式の辺々を引くと、
9x=9
両辺を9で割って
x=1
QED.
難しいですか?それとも簡単ですか?
もし難しいと感じたのなら、1行1行に「なんで?」と疑問を投げかけてください。
その考え方が論理的思考です。
はじめに数学には②好奇心のセンスがあるといいました。
この好奇心は数学が嫌いでも大丈夫です。
数学における好奇心とは、あなたが「なんでこうなるの?」と疑問を抱いたとき、その疑問を放置せずに、解決しようとする力のこと。
そしてこの力はトレーニングをすれば、誰でも身に付けることができます。

「数学は復習が命」の理由
数学は復習が命です。
予習は必要ありませんが、復習は必須です。
というのも、数学の問題は授業中に理解できないんですよね。
当然、先生はできるだけわかりやすい授業をしないといけませんし、生徒の側も理解するつもりで授業を受けなければなりません。
しかし授業の時間は限られている上に、生徒の疑問は1人1人違うので、先生が完璧に対応するのは不可能です。
そこで復習が重要になります。
授業でわからないことがあれば、休み時間や帰宅後に見返して、解消する。
この流れが数学の成績を上げる近道です。
- 数学のセンスは ①理解力 ②好奇心 の2つある。
- ②好奇心 は誰でも身に付けられる
- ポイントは「なぜ?」と疑問をもつこと
- 数学は復習が命
数学の復習方法3つのStep
ということで、ここからは具体的に数学の復習方法を解説します!
数学の復習は次の3つのStepで行いましょう。

- 授業で「なぜ?」をストック
- 自分の言葉で理由を作る
- 問題演習で理解を深める
①授業で「なぜ?」をストック
1つ目のStepは「なぜこうなるんだろう?」という疑問を授業中に集めておくことです。
授業中にすべての疑問を解消する必要はありません。
もしそれができるなら、日本中の学生が数学のテストで満点を取っています。
あなたがやるべきことは授業中に少しでも疑問に思ったことをメモしておくこと。
そのメモが数学を復習するときの材料になります。

②自分の言葉で理由を作る
2つ目のStepは「なぜ?」という疑問に対して自分の言葉で理由を作ることです。
このStep2が1番大事な復習でありながら、やっている人が1番少ない復習になります。
- 教科書の解答にポイントを書き込む
- 問題集の答えが不十分なら補足する
- 自分の好きな解き方で書く
です。
「とりあえず教科書の通りに書いておこう」
という考えでは、あなたの数学力は磨かれません。
ポイントはあなたにとって最高の解答を作ること。
ほかの人には「なにこれ」と思われるような順番、書き方でも構いませんので。
自分の言葉で記述するということは、自分の頭で考えることと同じです。
これからは数学の解答書はドンドン汚していってくださいね。

③問題演習で理解を深める
3つ目のStepは問題演習を繰り返してわかったつもりをなくすことです。
Step2で作ったあなただけの解答はまだあなたの身にはなっていません。
問題演習を繰り返してはじめて、あなたの力になるのです。
具体的には、何も見ずに解けるようになるまで解くことです。
間違えた問題だけでいいので、1つの問題集をテストまでに3週はしましょう。
オススメの復習日は、
- 次の日
- さらに3日後
- さらに1週間後
です。
これは間隔反復学習といって、脳の記憶の仕組みにもとづいています。
詳しくはこちらの記事を読んでください。

数学をカンペキに理解するのは無理!?
ここで悲しい事実を伝えなければなりません。
それは、、、こちら。。。
数学をカンペキに理解するのは無理!
大げさにいいましたが、大体この通りです。
できて”理解したつもり”止まり。
私自身、高校で「極限」(まだ習ってない人は無限∞のことだと思ってOK)を習ってこう思いました。
「マスターしたぜ!」
そして実際に受験問題も解くことができました。
しかし大学に入って”本当の極限”を習った途端、
「極限って何なんだ……???」
という現象が起きたんです。

理解度が深まれば深まるほど、新たな問題が生じる。
これが数学の恐ろしく、奥深く、楽しい点です。
中学や高校で習う数学というのは不十分な説明で構成されています。
難しい証明は省かれることもあります。
それゆえ、勘違いが起きやすい教科なんです。
あなたに伝えたいことは、
何度も復習をしてほしいということ。
勘違いに気付くためには、色んな問題に触れるしかありません。

まとめ:数学の復習方法3つのStep
- 授業で「なぜ?」をストック
- 自分の言葉で理由を作る
- 問題演習で理解を深める
今回は数学の復習の重要性について語りました。
数学はパッと見だと難しそうな教科ですが、その本質は「簡単、便利」です。
- 難しいことを誰でも解けるくらい簡単にする
- 公式を使って楽に解けるようにする
これが中学高校数学の目的になります。
あなたも復習に力を入れて、数学のセンスを磨いてくださいね。