- 子供の性格は何によって決まるのか
- 子供のためにしてあげられること
子育てをしているときって、
「私の方法でいいのかな?」
「子供のためにもっと良い方法があるのかな」
と不安になることがたくさんありますよね。
「あなたの育て方が悪いかったんじゃないの」
のようなひどいことを言われるかもしれませんね……。
今回は子供の性格が何で決まるのかを解説します。
目次
子供の性格は何で決まるの?
結論をいうと、親がどんな子育てをしたのかは子供の性格にほとんど影響しません。
遺伝50%環境50%
子供の性格要因は遺伝と環境が半々といわれています。
そしてここで述べる環境とは、主に友達といった仲間集団のことです。
虐待などの異常な場合を除いて、家庭環境は影響しません。
親の影響は0~10%程度
親が子供に与える影響は大きくても10%程度です。
この事実はアメリカの心理学者ジュディス・リッチ・ハリスによって示されました。
彼女は2人の子をもつ母親です。
1人目は養子、2人目は実子でした。
彼女は1人目と2人目とでは、子育ての勝手が全然違うことに疑問をもったわけです。
そして調査の結果、彼女の疑念は真実であることが発覚しました。
子供の性格は遺伝によるところが大きかったんです。
一卵性双生児の調査
子供の性格に親の育て方や家庭環境が関係しないことは、一卵性双生児の調査によって明らかになりました。
乳児期に離れ離れになった一卵性双生児の姉妹がいました。
2人の遺伝子は全く一緒ですが、成年になった時点で、
- 1人はプロのピアニスト
- 1人は音符すら読めない
このような状態でした。
養母の1人はピアノ教室の先生で、もう一方の親は音楽とは関係のない職についていました。
「当たり前じゃない」と思いますよね。
しかし話にはまだ続きがあります。
実は、ピアニストに育てた親は音楽を全く知らないほうの親で、音符すら読めないのはピアノ教室を開いている親の娘だったんです。
1人はプロのピアニストになったので、遺伝的には2人とも音楽の素質を持ち合わせていたはずなんですよね。
それなのになぜ、このような奇妙な現象が起きたのでしょうか?
ハリスさんの研究によると、子供は自分のキャラクターを環境集団の中で選択するらしいです。
音楽とは無縁の家庭でありながらピアニストになった子供は、たとえば学校の音楽の時間などで、自分が音楽の才能を持ち合わせていることに気付きます。
すると彼女は学校集団の中で、「音楽ができるすごいやつ」として自分を目立たせることを選択するわけです。
ピアノ教室の家庭で育ったもう1人の子供の場合、周りにいるのは音楽ができる人ばかりです。
その音楽集団の中では、ピアノが弾けたところで誰も驚いてはくれません。
この子供にとっては、ピアノよりも、メイクやファッションのほうが、目立つ理由としては優れているんです。
このように子供の性格要因は遺伝と環境によって決まるみたいですね。
子供のためにできること
「子育てが影響しないんだったらどうすればいいの?」と気になりますよね。
親が子供のためにできることは次の通りです。
- 先入観で子供を縛らない
- 資質をサポートしてあげる
①先入観で子供を縛らない
1つ目は先入観で子供を縛らないことです。
たとえば
- 男の子だから昆虫図鑑を買ってあげる
- 女の子だからかわいらしい服を買ってあげる
などです。
買ってあげること自体はいいことなんです。
昆虫図鑑がきっかけで生物学者の道に進むかもしれませんし、服を買ってあげることでファッションのセンスが明らかになるかもしれません。
良くないのは男の子だから女の子だからというレッテルのほうです。
男の子も服がほしいかもしれませんし、女の子も虫取り網のほうがいいかも。
何を買ってあげるのか、何をしてあげるのか。
固定観念で判断するのではなく、その子のことをよく見て、決めてあげてください。
②資質をサポートしてあげる
2つ目はその子独自の資質をサポートして伸ばしてあげることです。
たとえば外にはあまり行かず、室内での活動が好きな子ならば、本を買ってあげる。
外で遊ぶのが好きならば、キャンプに連れて行ってあげるなどです。
子供の興味や関心を見定めて、その子の得意分野をさらに伸ばす手助けをしてあげてください。
良くない例は、「私が学生だった頃は塾にいく余裕がなくて悲しかった。だから私の子供は塾に行かせてあげよう。」のような、親のエゴを子供に押し付けることです。
あなたが塾に行きたかったとしても、子供も塾に行きたいと思うかどうかはわかりません。
あなたの「あれをやりたかった」ではなく、子供が何をしたいのかを判断基準にしてください。
子供がどんな才能をもっているのかは、経験を積むまではわかりませんが、子供の興味は才能のヒントになります。
子供の気持ちに寄り添ってあげれば、子供はグングン成長しますよ。
まとめ:子供の性格は遺伝で決まる?
- 遺伝が50%、環境が50%
- 親の影響はほとんどない
「子供の性格は親の育て方に依存しない」というのは衝撃的ですよね。
しかし見方を変えれば、あなたが子育ての自信をもってないとしても、子供は力強く育ってくれるということです。
あなたは子供に寄り添ってサポートしてあげるだけでいいんです。
子育ての大誤解を知ったあなたなら立派な子育てができますよ。