- 子どものためになる育て方を知りたい
- 子どもの性格がきになる
- 教育心理学の知識が欲しい

今回は、「子育てをする親の態度は4つに分類できる」というお話です。
私自身は子育てをしたことがありませんが、教員免許を取得するために教育心理学を学びました。
これからの子どもたちのために、今回の内容を多くの方に知って頂きたいと思います。
親の育て方4つのタイプ
アメリカの心理学者サイモンズさんは「親の育て方」と「子供の性格」の傾向を、2つの軸『支配↔服従』『受容↔拒否』を用いて4タイプに分類しました。
『支配↔服従』は「親の子供との主従関係」
『受容↔拒否』は「親が子供を受け入れる度合い」
を表しています。
以下は、その分類をまとめた図です。

さらにサイモンズが分類した4つのタイプをまとめます。
- 残酷タイプ:支配&拒否の養育態度
- 過保護タイプ:支配&受容の養育態度
- 甘やかしタイプ:服従&受容の養育態度
- 無視タイプ:服従&拒否の養育態度
以降はそれぞれの養育態度のタイプについて解説していきます。
①残酷タイプ
1つ目は、支配&拒否の残酷タイプです。
残酷タイプは、「子供を思い通りに支配し、さらに内面を拒否する」養育態度になります。
残酷タイプの親に育てられた子供は以下の性格になりやすいです。
- 逃避的
- 不安
- 神経質
親の養育態度が残酷タイプだと、子供は自分の個性を押し殺すようになります。
その結果、現実から妄想の世界へと逃げる「逃避」の傾向や、周囲の反応を気にする「不安」「神経質」の傾向が現れるんですね。
②過保護タイプ
2つ目は、支配&受容の過保護タイプです。
過保護タイプは、「子供を思い通りに支配するも、内面は認める」養育態度になります。
過保護タイプの親に育てられた子供は以下の性格になりやすいです。
- 幼児的
- 依存的
- 嫉妬心が強い
親が過保護タイプだと、子供は自ら行動しなくても親が勝手にやってくれるので、成長のチャンスを逃してしまいます。
その結果、子供のような「幼児性」「嫉妬心」や誰かに世話をしてもらう「依存」をもとにした生き方を選択するようになるんですね。
③甘やかしタイプ
3つ目は、服従&受容の甘やかしタイプです。
甘やかしタイプは、「子供の言うことを聞き、内面を認める」養育態度になります。
甘やかしタイプの親に育てられた子供は以下の性格になりやすいです。
- 独立的
- 反抗的
甘やかしタイプの親の子供は、「自分の主張が必ず通る」環境で育ちます。
自分の考えや発言がすべてなので、自分勝手に振る舞う「独立」や自分の意見をむりやり通そうとする「反抗」を行うようになるんです。
④無視タイプ
4つ目は、服従&拒否の無視タイプです。
無視タイプは、「子供の言うことを聞くが、内面を否定する」養育態度になります。
無視タイプの親に育てられた子供は以下の性格になりやすいです。
- 攻撃的
無視タイプの親は子供とのやりとりを拒否します。
子供からしたら寂しい環境ですよね。
その結果、子供は親や周囲に自らの存在をアピールするために「攻撃的」な行動をとるようになります。
どのタイプにも属さないバランスが大事
4つのタイプの挙げましたが、全てネガティブな説明になっていますよね。
それもそのはず。
サイモンズが推奨したのは、どのタイプにも属さないフラットな養育態度なんです。
最初の図をもう1度貼ります。

図の中心こそが、最も好ましい養育態度です。
子育てでは、子供のわがままをきいたり、逆に親が子供に言うこときかせたりということがありますよね。
そこで大事なことは、偏らないことです。
「わがまま」1つをとっても、
「毎回わがままを無視する」
「毎回わがままに付き合う」
どちらでもダメで、適度な対応が求められるんです。
親に限った話じゃない
今回の話は親に限った話ではありません。
教育の中心は家庭ですが、家庭以外にも教育を行う場所がありますよね?
そしてそこには教育に携わる人がたくさんいるはずです。
親戚に小さい子どもがいる人。
学校の先生。
スポーツクラブのコーチ。
こういった教育従事者は「養育態度が子どもに影響を与えること」「フラットな教育が重要なこと」を知っていなければなりません。
まとめ
子どもの性格を豊かにするためには
偏りのないフラットな教育が大事!
実は「親の子育ては子供の性格にほとんど影響しない」という結果があります。
ただし影響しないのは教育がフラットに近いときだけ。
「虐待がある」といった状態では、子供の性格は歪んでしまいます。
子育てや教育には正解がありません。
しかし愛する子どものため、「できるだけ正解に近づけたい」想いがあると思います。
今回の内容があなたのため、そして子どものためになることを祈っていますね。