この「まっちの勉強ノート」は、
まっち が勉強して実践した内容を

今回は「沈黙のWebライティング」の第3章についてです。
第3章は内容が濃いので、2回にわけてまとめていきます。
その内容は以下のようになっています。

沈黙のWebライティング第3章の構成
この中でも特に上記のオレンジ色の部分、
⑷脳は「2つの思考」で動く
⑸「システム1」と「システム2」の違い
⑹「システム1」に配慮した文章作成のポイント①~⑪
について触れていきます。
目次
脳は「2つの思考」で動く
わかりやすい文章とは?
わかりやすい文章とはずばり、
脳への負担が少ない文章のことです。
簡単にいってしまえば、ボーっとしてても読めるような文章のことです。
今回の記事では、この「脳への負担が少ない文章」を書くために必要なことを学んでいきます。
初めに知っておくべきことは
「2つの思考」
についてです。
「2つの思考」ってなに?
「2つの思考」についてはこちらの『ファスト&スロー』という書籍に書かれています。
この書籍ではノーベル経済学賞を受賞した ダニエル・カーネマン氏 が
人間の脳には「システム1」と「システム2」という2つの思考がある。
と述べています。
この「システム1」と「システム2」は以下のような思考です。
- 「システム1」……脳への負担を減らすために自動的に高速で動く思考。物事を直観的に理解しようとする思考。
- 「システム2」……複雑な計算など、注意力を要する作業が必要な際に、慎重かつゆっくりと動く思考。物事を論理的に理解しようとする思考。
(「沈黙のWebライティング / 松尾 茂起」241Pより引用)
簡単にいってしまえば、
「システム1」は直観的思考
「システム2」は論理的思考
のことです。
そしてカーネマン氏によると、人間の意思決定行動の多くは「システム1」によって行われているらしいのです。
人間が大自然の危険や狩猟チャンスに対応するため、瞬時に行動できる思考として「システム1」は発達してきました。
バスケットボールや卓球のようなスピーディーなスポーツをされている方は実感が湧きやすいと思います。
そしてその「システム1」は、多くの情報が蔓延している現代において、
情報の取捨選択を行うための装置として機能しているんです。
例えば、美人な方が使っている香水は「良い商品」だと思ってしまうし、俳優さんがおいしそうに食べている料理は「食べてみたい」と涎を垂らしてしまいます。
- 美人さんが使っている香水→「良い匂い」
- 俳優さんが食べている料理→「おいしそう」
しかし論理的に考えてみれば、「その香水」や「その料理」が「本当に良いものとは限らない」と気づくことができるはずです。
このように、不合理だけども直観的に判断をすることによって、脳の負担を軽減しつつ情報をふるいにかけているのです。
文章における「システム1」と「システム2」
それでは「システム1」と「システム2」に配慮した文章とはどんな文章のことをいうのでしょうか?
その答えは以下の通りです。
- 「システム1」への配慮→文章やデザインが見やすい、読みやすい
- 「システム2」への配慮→筋道立っていて理解しやすい
ここからは「システム1」に配慮した文章を書くためのポイントについて深く述べていきます。

「システム2」は次の記事で解説します。
「システム1」に配慮した文章作成のポイント
「システム1」に配慮した文章を書くためのポイントは11個あります。
「多過ぎでしょ!」
大半の方はこう思いましたよね。
私も「多過ぎ」と心の中でつぶやきました。
しかし、どれも非常に重要なことなので、
1つ1つ順番に見ていきましょう。
- 改行・行間に気を配り、心地いいリズム感を意識する
- 漢字とひらがなの含有率を調整する
- 「この」「その」「あの」などの指示代名詞を減らす
- 箇条書き(リスト表記)を使い、要点を整理する
- 情報をカテゴライズして整理する
- いらない言葉や表現はカットし、文章が不必要に長くならないようにする
- 感情表現を入れ、自分事化による共感を誘発する
- 文字のサイズや色、協調のルールに気を配る
- 区切り線や記号を使う
- 写真やイラストを挿入する
- マンガ的な演出を意識する
(「沈黙のWebライティング / 松尾 茂起」244Pより引用)
(⑥と⑧と⑩は省略します)
①改行・行間に気を配り、心地いいリズム感を意識する
「システム1」に配慮するためには、改行や行間に気を配ることが必要不可欠です。
なぜなら、直観的な理解を促すためには、直観的に読むことができる必要があるからです。
次の「改行・行間に配慮した文章」と「改行・行間に配慮していない文章」の例を読んでみてください。
(この文章は上で記述したものです)
人間が大自然の危険や狩猟チャンスに対応するため、瞬時に行動できる思考として「システム1」は発達してきました。
バスケットボールや卓球のようなスピーディーなスポーツをされている方は実感が湧きやすいと思います。
そしてその「システム1」は、多くの情報が蔓延している現代において、情報の取捨選択を行うための装置として機能しているんです。
人間が大自然の危険や狩猟チャンスに対応するため、瞬時に行動できる思考として「システム1」は発達してきました。バスケットボールや卓球のようなスピーディーなスポーツをされている方は実感が湧きやすいと思います。そしてその「システム1」は、多くの情報が蔓延している現代において、情報の取捨選択を行うための装置として機能しているんです。
上の2種類の文章は極端な例ですが、読みやすさが全然違いますよね。
文章に余白を入れることで、脳を休憩させるポイントを作ることができるんです。
サイズが決まっている紙媒体では余白を作ることが難しいですが、Webライティングは違います。
サイズに決まりが無いので余白を作り放題なんです。
(過度な余白はかえって読みにくくなるのでダメですが)
また、最近はスマートフォンの普及によりサイト閲覧者の多くが縦スクロールの動きに慣れているので、縦長の文章でもしっかり読んでもらえる傾向にあります。
ですので、文章を書くときは十分な改行と行間を作って、リズミカルな文章を構成しましょう。
句点(。)や「!」「?」で改行することをオススメします。
1文毎に改行することで文の開始位置が左側に統一され、文章を追いやすくなるためです。
②漢字とひらがなの含有率を調整する
読みやすい文章を書くために、
漢字とひらがなのバランスには気をつけましょう。
以下はひらがな表記を採用する基準です。
- ひらがなにしたほうが、読み手の脳の負担が減りそうな場合
- 普段は漢字で書かない言葉を使っている場合
- 常用漢字表に載っていない漢字を使う場合
- 感じで書いたほうがよいか、ひらがなで書いたほうがよいのかわからない場合
(「沈黙のWebライティング / 松尾 茂起」249Pより引用)
私はこれらの単語はひらがな表記を採用しています。
- ×貴方 ○あなた
- ×出来る ○できる
- ×先程 ○先ほど
- ×気付く ○気づく
- ×分かる ○わかる
また、ひらがなだけでなく、カタカナも適度に採用した方がいいです。
- ×かたかな ○カタカナ
- ×おすすめ ○オススメ
- ×きつい ○キツイ
③「この」「その」「あの」などの指示代名詞を減らす
文字数に指定のある小論文などの場合だと、「この・その・あの」といった指示代名詞は重宝します。
しかし、Webライティングでは事情が変わります。
先ほども話しましたが、サイト閲覧者はスクロールの動きに慣れているので、文章を読みとばしてしまうことが多いんですよね。
するとサイト閲覧者は
「ここに書いてある『これ』って何のことだ?」
という問題が起きやすいんです。
ですので、Webライティングを行うときは、
「この・その・あの」などの指示代名詞を使うことは控え、主語をしっかり明記するようにしましょう。
④箇条書き(リスト表記)を使い、要点を整理する
箇条書きのわかりやすさは誰でも理解しているはずです。
「『システム1』に配慮したポイント」 を箇条書きを用いずに表記するとこうなってしまいます。
改行・行間に気を配り、心地いいリズム感を意識し、漢字とひらがなの含有率を調整する。また「この」「その」「あの」などの指示代名詞を減らす。(省略)
今度は「『システム1』に配慮したポイント」を“箇条書きで”復習しましょう。
- 改行・行間に気を配り、心地いいリズム感を意識する
- 漢字とひらがなの含有率を調整する
- 「この」「その」「あの」などの指示代名詞を減らす
- 箇条書き(リスト表記)を使い、要点を整理する
- 情報をカテゴライズして整理する
- いらない言葉や表現はカットし、文章が不必要に長くならないようにする
- 感情表現を入れ、自分事化による共感を誘発する
- 文字のサイズや色、協調のルールに気を配る
- 区切り線や記号を使う
- 写真やイラストを挿入する
- マンガ的な演出を意識する
(「沈黙のWebライティング / 松尾 茂起」244Pより引用)
このように箇条書きを用いることで
「何が並列して書かれているのか」
「いくつ書かれているのか」
が即座ににわかるメリットが生まれます。
⑤情報をカテゴライズして整理する
「情報をカテゴライズして整理する」とは、簡単にいうと次の通りです。
- 目次を用意する
- 文章頭で「何について書くのか」を明記する
目次については言わずもがなですね。
「文章の冒頭に明記する」については、この記事の冒頭を思い出しましょう。
この中でも特に上記のオレンジ色の部分、
⑷脳は「2つの思考」で動く
⑸「システム1」と「システム2」の違い
⑹「システム1」に配慮した文章作成のポイント①~⑪
について触れていきます。
このように内容を整理して、あらかじめ読者に「何が書かれているのか」を伝えておくことで、読者の理解をスムーズにすることができるんです。
⑦感情表現を入れ、自分事化による共感を誘発する
共感とは
相手の感情を自分事のように感じること
です。
読み手を共感させることができれば、読み手の心理は
「自分のことだから読まないといけないな」
となり、文章を読み進めてくれます。
読み手を共感させるためのポイントはこちらです。
(沈黙のWebライティングでは2つ解説しています)
感情表現の場所をわかりやすくする
「感情表現の場所」を読み手に伝えるためには、
主に「」(カギ括弧)を使うのがいいです。
上で登場した
「自分のことだから読まないといけないな」
という文は「」を使って感情表現アピールをしています。
このように「」を用いることで、読み手は「」の中の文章を話し言葉として認識するため、感情が伝わりやすくなるんです。
⑨区切り線や記号を使う
区切り線もこの記事の冒頭で使用しています。
この本のストーリー部分は公式サイトで無料公開されているので、興味のある方はどうぞ
↓前回の記事はこちら↓

今回は「沈黙のWebライティング」の第3章についてです。
区切り線を用いることで、
「区切り線の上は記事の定型文」
「区切り線の下は本文」
という文章の切り替わりが直観的にわかりやすくなるんです。
このブログでは他にもカラーボックスを活用して重要な部分をわかりやすくしています。
こんな風に
ボックスを活用して
重要な部分を
強調しています。
また沈黙のWebライティングのストーリー部分では
◆
◆
◆
という表記をすることによって、
時間の経過を表現しています。
Webライティングでは、文字だけでなくデザインや記号を用いて、読者に直観的な理解を与えることが大事です。
⑪マンガ的な演出を意識する


主にこういった吹き出しのことですね。
「文章は苦手だけどマンガは読めるよ!」
という方はたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか。
マンガ内で行われる会話は、イラストによって
「ここのセリフはこのキャラが言ってるんだな」
ということが直観的にわかるため非常に読みやすくなっています。
従って、その性質をWebライティングでも利用することで、読者にサクサク読んでもらえるようになるんです。
今回の学び
脳の「システム1」に配慮して
直観でわかる記事を作ろう!
今回は読んでもらえる文章を書くために「直観的に理解できる文章の書き方」について学びました。
次回は第3章の後半で、「論理的な文章の書き方」についてまとめます。